Music: Cheers
丹波篠山を往く
歴史倶楽部第72回例会 2003.4.27(日曜)


		
		JR大阪駅に集合して、福知山線の丹波路快速で「篠山口駅」まで約1時間ちょっとだ。兵庫県の中東部、山々が連なり、深い
		緑と土の薫りに包まれた丹波地域。阪神大都市圏の近郊にありながら山林面積が約75%を占めるこの地域は、澄みきった空気
		と豊かな自然に恵まれた、懐かしい田園風景が今も残されている。我が歴史倶楽部としては、こっち方面にはなかなか足を伸ば
		さないが、もちろんこの地方にも歴史はある。例会としてはどうしても奈良を中心とした地域になってしまっているが、今回は
		久々の北播磨である。途中、「三田」の新興団地を横目に見て「篠山口」駅に到着。もう20年ほど前にWIFEとこの駅に来たよ
		うな覚えがあるが、ずいぶんと綺麗な駅前になっている。その時は確かこの近辺の「立杭焼き」の窯元を訪ねたのだった。
		篠山口駅西口から神姫・JRバスで本篠山方面へ向かう。途中、川に掛かる橋の欄干にイノシシが鎮座していた。西表島に行っ
		た時イリオモテヤマネコが乗っていたのと同じだ。



			【デカンショ節】
			デカンショ デカンショで半年暮らす ヨイ ヨイ
				  あとの半年 寝て暮らす ヨーイヨーイ デカンショ
			雪がチラチラ 丹波の宿に ヨイヨイ
				  猪(しし)が飛び込む ぼたん鍋  ヨーイヨーイ デカンショ
			丹波篠山 山奥なれど ヨイヨイ
				  霧の降るときゃ 海の底 ヨーイヨーイ デカンシショ
			丹波篠山 鳳鳴(ほうめい)の塾で ヨイヨイ
				  文武鍛えし 美少年 ヨーイヨーイ デカンシショ
			酒は飲め飲め 茶釜で沸かせ ヨイヨイ
			  	お神酒あがらぬ 神はなし ヨーイヨーイ デカンシショ
			灘のお酒は どなたが造る ヨイヨイ
			 	 おらが自慢の 丹波杜氏 ヨーイヨーイ デカンシショ
			私しゃ丹波の かち栗育ち ヨイヨイ
			  	中にゃ甘味も 渋もある ヨーイヨーイ デカンシショ

 

 


		奈良時代以前の「丹波」は但馬、丹後をも含む大きな領域だったと言われているが、奈良時代になって、丹波・但馬・丹後の3
		国に分割され、丹波の国は、桑田(くわた)・船井(ふない)・何鹿(いかるが)・天田(あまだ)・氷上(ひかみ)・多紀
		(たき)の6郡となった。これはそのまま千年以上続いたようである。思うに、そうやって千年続いた地名や、古書にも載って
		いる地名が各地で急速に無くなっていくのは、ほんのここ2,30年の出来事だ。利便性や体裁を重んじるあまり、「地名」の
		重要度も理解できない利己主義のアホ官僚たちによって、日本の地名はどんどん変えられている。その地の由緒を教える地名が、
		全国でなくなっているのである。差別的な名前や言うのをはばかるような名前ならまだ理解できなくもない。しかし、博労町や
		鍛冶屋町のどこが恥ずかしいのか。日本中が青葉台3丁目や夕陽丘1丁目などに成ってしまうことの方がよっぽど恥ずかしいと
		は思わないのだろうか。最近とみに、日本人は自らの手で自分たちの歴史を壊していると思えてしようがない。




この入館券は、見たところから四隅をハサミで切っていくのだった。



		明治時代の廃藩置県で、氷上・多紀の2郡は兵庫県に、残りの4郡は京都府にそれぞれ編入された。さらに、平成11年4月に
		多紀郡4町が合併し、「篠山市」となって現在に至っている。今日では一般に「丹波地域」と言う場合、篠山市と氷上郡6町か
		ら構成される地域を言う。総面積は約871ku。兵庫県総面積の約10%を占めている。また、日本列島のほぼ中央に位置して
		いることから、気候も中間的な気候と言われ、年平均気温は約15度、年平均降水量は約1,700mmとなっている。デカンショ
		節はこの丹波が発祥で、近年、民謡の祭典「デカンショ祭」などのイベントも催されている。生活創造センターなども兼ね備え
		た「丹波の森公苑」には、800人収容のホールやアトリエなどもあり、文化・芸術の拠点となっている。また、篠山城跡に復
		元された大書院をはじめ、随所で歴史と文化の復興、伝統芸能の継承等々も行われている。(と、駅にあった解説書にある。)

		関西では丹波名産として、「黒大豆」「栗」「松茸」が有名で、またイノシシは丹波に行ったら必ず食えと言われるほど有名で
		ある。(しかし、本日の打ち上げでイノシシを食べようと主張したのは私だけだった。)


   
  大正ロマン館     篠山城    大書院  御徒士町武家屋敷

    
青山歴史村   春日神社  篠山歴史美術館 杜氏酒造記念館 河原町妻入商家群



邪馬台国大研究・ホームページ/ 歴史倶楽部/ 丹波篠山を往く