Music: ゴンドラの唄

第130回例会

和邇氏の郷を歩く 2008年3月16日(日)& 3月22日(土) 天理市・奈良市





重要文化財 金錯銘花形飾環頭大刀(部分) 奈良県天理市檪本町 東大寺山古墳出土古墳時代・4世紀


		東大寺山古墳・和邇族の里をゆく

		日時  : 2008年3月16日(日)10:00am集合
		集合場所: JR奈良駅構内1番線プラットフォーム中ほどのところ
		アクセス: JR天王寺からの場合;櫟本駅までなら\820。奈良駅で改札出て櫟本駅まで買えば\650と安くなる(?)
		行程  : JR奈良駅→JR櫟本駅下車→(徒歩700m)→和邇下神社&古墳・柿本神社・在原業平神社など混在→
			  (1Km)→高塚公園(昼食)&
			  東大寺山古墳→(1Km)→和邇赤阪比古神社→(2Km強)→円照寺→崇道天皇陵→(バス20分)→
			  近鉄奈良駅(16:30頃着予定)
		持参する物: 弁当・水筒・防寒具・タオル・替え下着・替え上着・その他
		見所 : 




	歴史倶楽部の例会も、今回で130回を数えるまでになった。公的な研究機関や博物館が行う歴史散策は2,300回を数えている
	ところもあるが、素人の会でこれだけ遺跡巡りを行って来たのは、日本広しといえども我々くらいのものではなかろうか、等と。

	さて今回は、天理市櫟本(いちのもと)から奈良市八島町を歩いた。櫟本地域は、古来から山の辺の道の北部、上ッ道(後、上街道)、
	横大路などが通り、交通の要衝として栄えたところである。付近には、縄文遺跡、弥生・古墳時代の集落、東大寺山古墳群、などの
	遺跡や、楢池廃寺、長寺跡、柿本廃寺、在原廃寺、願興寺跡などの古代寺院、和爾赤坂比古神社、楢神社、和爾下神社、在原神社な
	ど、歴史上の旧蹟には事欠かない。
	この辺りは 古代からここに居住していた「ワニ」氏とその一族の勢力下にあった地域だと考えられている。氏族名の「ワニ」は、
	古来、和珥、和邇、和爾、丸邇、丸などと書き記されてきた。現代でも天理市の赤坂比古神社が鎮座している付近の地名は、和爾
	(わに)町である。「ワニ」氏は、現在の天理市和爾(わに)を南端とし、そこから北へ大和盆地の東縁に沿って奈良坂を越え、山城
	の木津川流域一帯、さらに宇治川を遡って南近江に至る範囲に強大な支配権を築いていたようである。JR湖西線には「和邇」駅が
	あり、平成の大合併で、「滋賀郡志賀町」の名前は消えたが、志賀町にあった和邇(わに)という大字は今も健在であり、近くには
	「和邇川」も流れている。そのような強大な勢力で、奈良盆地西南部に勢力を張った葛城氏とともに、古代大和政権の一翼を担った
	有力氏族と考えられているのだ。
	記紀によれば、「応神・反正・雄略・仁賢・継体・欽明・敏達」の7天皇に9人もの后妃を出したことになっている。また、和邇氏
	の実質上の祖といえる彦坐王の子孫から、息長帯比売(神功皇后)が出ていることから見ても、近江の息長氏と密接な関係で結ばれ
	ていたとも推測できる。
	和邇氏は、阿曇氏、宗像氏などと並んで海人族の豪族であり、これらの海洋民はいずれも北九州西方から北岸に掛けて活躍していた
	と考えられるし、5代孝昭天皇を祖とし、四道将軍、後には遣隋使、遣唐使も多く輩出している典型的な海人系の氏族である。
	そもそも「ワニ」という名前からして、和邇氏が海から来た民族であろうとは容易に想像できる。その源流がいずこにあるのかは判
	然としないが、西から来た可能性はすこぶる高い。我が歴史倶楽部の郭公さんは「対馬ですよ。」と言っている。



2008年3月16日(日)例会






	JR櫟本(いちのもと)駅前にて「世界へ発信!」記念撮影。今回から乾さんの先輩の山崎さんも参加して、今までの例会で最多の
	12名の参加となった。
	天理市櫟本町一帯は、かって東大寺の荘園だった。今「東大寺山古墳」のある丘陵も、江戸時代まで東大寺が所有した山林で、その
	為「東大寺山古墳」と命名されているが、今は一面竹林である。この辺りには古墳時代中期(4世紀中頃から5世紀前半)に、多く
	の古墳が東大寺山を中心にして築かれ、「東大寺山古墳群」と呼ばれている。シャープがここに研究所を作ったとき、おびただしい
	古墳群が発見されたが、建物の完成に伴ってその殆どは消滅し、シャープはそのうちの幾つかを「罪滅ぼし」に正門脇に移築してい
	る。櫟本町の北方には和爾集落があり、周辺はワニ氏の勢力下にあったものと考えられるので、東大寺山古墳群は和邇氏の奥津城だ
	ったと考えられる。



櫟本駅前から歩き出してほどなく石碑があって、「柿本人麻呂碑」とあったが「辞世の句」と彫られていて胡散臭かった。






3月22日(土)ぶらり散歩

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