香川県善通寺市の市街地をぬけ、県道24号沿いを西に進むと右手に見えるのが王墓山古墳である。大麻山の西側にあり、史跡公園 として整備されていて、古墳のまわりを巡ることも上にのぼることもできる。ここからは、善通寺の五重塔をはじめ市街地が見渡せ る。古墳のまちでもある善通寺市には、大小400基もの古墳が確認されている。その中でも有岡古墳群は、同じ系統による一族の 墓と考えられる古墳が集まっていて、国の指定史跡になっている。その有岡古墳群の中央部に位置しているのが、王墓山古墳である。
6世紀半ばにつくられた王墓山古墳は、全長46mの前方後円墳。横穴式石室を持ち、石室からは須恵器などの土器類、首飾りなど の装飾品、武具・馬具類、大和政権が配下に入った地方豪族に渡したという見方もある金銅製の冠帽(かんぼう)や銀象嵌(ぎんぞ うがん)を施した鉄刀が出土している。これらは市立郷土館で展示されている。
王墓山古墳 (おうはかやまこふん) 遺跡所在地 香川県善通寺市善通寺町字大池東1785番地1 調査期間 19821115-19830331 調査原因 史跡整備 種別 古墳 主な時代 弥生/古墳 遺跡概要 弥生-箱式石棺 + 竪穴式石室 -弥生土器/古墳-横穴式石室-須恵器+土師器+馬具+武具+装身具+工具+埴輪 特記事項 肥後の影響を受けた石屋形を持つ。金銅製冠帽など非常に優秀で豊富な副葬品を持つ
善通寺の五重塔を正面にみる。 善通寺市は弘法大師空海が生れたとされている総本山善通寺がある街で、空海が出た佐伯氏はこのあたりの豪族だったという。