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衣笠地蔵院
2007.4.1(日)











	衣笠山・地蔵院 (竹の寺)  臨済宗  〒615−8285 京都市西京区山田北ノ町23 TEL 075−381−3417 

	衣笠山(きぬがさやま)と号する臨済禅宗の寺で、通称「谷の地蔵」又は「竹の寺」とも呼ばれている。昔からこの一帯は竹が生い
	茂る所で、「衣笠山地蔵院」として室町幕府菅領「細川頼之」(ほそかわよりゆき)の帰依を受けて創建した寺である。
	この地には、もと歌人の衣笠内大臣藤原家良(ふじわらのいえよし)の山荘があったが、家良の没後、貞治6年(1367)に、管領の
	細川頼之が宗鏡禅師に深く帰依して当寺を創建した。開山である「宗鏡」(そうきょう)は、恩師夢窓(むそう)国師を追請開山と
	して請じ、自らは第二世となった。以後、当寺は、細川家の庇護を受け、次々と伽藍を建立し、境内塔頭三院、末寺23寺を数える
	一大禅刹となったが、応仁の乱により堂舎は悉く焼失してしまった。その後、江戸時代の宝永元年(1704)に、第14世古霊和尚に
	よって伽藍を整え、現在に至っている。
	現在の本堂(地蔵堂)は、昭和10年(1935)に再建したもので、堂内には、本尊の延命安産地蔵菩薩のほか、夢窓国師、宗鏡禅師、
	細川頼之の木像を安置している。また、方丈前には、「十六羅漢の庭(じゅうろくらかんのにわ)」と呼ばれる枯山水庭園があり、
	本堂南には、宗鏡禅師、細川頼之の墓がある。本尊は、延命安産の地蔵菩薩で、伝教大師の作と伝えられる。






	京都洛西にあって、竹と苔が美しい閑静な寺である。有名な「鈴虫寺「苔寺」も近くにあるし。一休禅師が幼少の頃修養した寺ともい
	う。一休禅師は「後小松天皇」の皇子と伝わり、応永元年(1394)京都に生まれ地蔵院で成長し、6歳で安国寺に移って本格的な修行
	に入った。その後は京都や堺などで大衆に禅の道を教化して、大徳寺に住んでいたが、晩年には南山城の妙勝寺を復興してそこに住ま
	い、文明13年(1481)に88歳で没した。




	落胤説が現れたのは一休死後のことであり、確かな史料による限り、彼の生涯に皇胤である証拠や生まれによる影響を見出すことは出
	来ない。時は南北朝から室町へ移行していく時代である。よく知られる一休宗純の姿は、頓知で有名な「一休さん」だが、漫画の世界
	と実像はかけ離れている。一休の実像は書くのもはばかるような、僧侶として、時には人としてあるまじき逸話が幾つも残っている。
	うわべ、見かけの道徳観を嫌い、民を省みず遊興に耽る為政者、権威に追従する宗派禅仏教を痛烈に批判した人物が一休宗純だった。



	正長元年(1428年)、称光天皇が男子を残さず崩御し、伏見宮家より後花園天皇が迎えられて即位した。血縁関係は後小松天皇の落胤
	といわれた一休のほうが近いため、それを差し置いての即位であるとして、後世様々な憶測を呼んだ。しかし、前述のように落胤説に
	は疑問がある。当時は一休が皇子であると一般に認知されていなかったことが、ここから伺えるという説もある。
	応仁の乱後の文明6年(1474年)、後土御門天皇の勅命により大徳寺の住持(第47代)に任ぜられ、寺には住まなかったが、再興に尽
	力した。塔頭の真珠庵は一休を開祖として創建された。天皇に親しく接せられ、民衆にも慕われたという。
	88歳で酬恩庵に没した。臨終に際し、「死にとうない」と述べたと伝わる。酬恩庵は通称「一休寺」と言い、京都府京田辺市の薪地
	区にある。康正2年(1456)に荒廃していた妙勝寺を一休が再興したものである。墓は酬恩庵にあり、「慈揚塔」と呼ばれるが、宮内
	庁が御廟所として管理している施設であるため、一般の参拝は不可能である。




	開基は細川頼之(よりゆき)、開山はその仏寺を創建した人物、開基は財政的に支援した人物、特に禅宗では檀越(施主)を開基とし
	て区別することがある。細川頼之は室町幕府の基礎を築いた人物だが、世間には案外知られていない。それは、明治以降の国家総動員
	態勢の中で、頼之を後醍醐天皇に背いた国賊と教えていた教育によるのかもしれない。頼之は三代将軍義満の管領の命を受け幕府政治
	に十二年間の長きにわたり関与することになり、南朝軍を壊滅させ全国制覇を実現する。頼之は武もさることながら知的な将としても
	知られ、漢詩文を好み、和歌にも堪能で頼之が詠んだ和歌十三首は勅選集にも入っている。戦乱に明け暮れ、幕府内の権謀術数と格闘
	する中で頼之は宗鏡禅師の門をたたき、やがては地蔵院を建立するに至る。頼之の墓は遺言通り宗鏡禅師の傍に寄り添ってある。

	<細川家系図>

	公頼−頼春−頼之−頼元−持之−勝元(龍安寺開基)−政元
	    └−頼有−(七代略)−藤孝−忠興(夫人=ガラシャ)−忠利−(十三代略)┐
	                        細川護煕(元総理大臣)−護貞−┘




	拝観時間:	9:00〜17:00 12/1〜3/31は16:30
	拝観料 :	大人、高校500・小中学300 抹茶菓子付400・団体30名以上予約要 学生引率者無料・車椅子拝観(境内可・介添人要)
	アクセス:	市バス苔寺道・京都バス苔寺・阪急電車上桂 


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