2010年夏 フランス紀行 2010.7.2〜7.13



	
	2010.7.11(日)晴れ

	毎度の事で数時間毎に目が覚め、最終的には五時頃寝て、七時半頃、Wifeに朝食だと起こされる。フロントの横に小さな食堂が
	あって、まだ誰も来てなかったが、ドイツ人のようなおばちゃんが来て、太ったアメリカ人らしき夫婦がやってきた。フロント
	のオジサンの話では、このホテル客で一番多いのはオーストラリアからの客、次が南米、次にアジア、アメリカだそうな。
	今日はサントチャペル大聖堂へまず行く。
	地下鉄でMabilionからLiteまできて、九時半の開館まで時間があったので大聖堂前のカフェでコーヒーを飲む。数人同じような
	人達がいる。









大聖堂の入り口にも入館を待つ人等がウロウロしだしたので、列に並んでおこうとカフェを出る。



	
	列の最前線にスペインからの団体客がいて、一人ひょうきんなオジサンが周りの笑いをとっている。旗を振り回してオバサン達
	に愛敬を振りまいている。スペイン人はみんな小柄だ。ヨーロッパの中では珍しい。
	我々の前にイタリア人の夫婦がいたので、昨年イタリアへ行った話をする。サッシと言っても分からなかったが、マテーラと言
	うと理解した。まだ日本には行った事がなく、行きたいと言っていた。



九時半になって、五十人程いるスペイン人の団体客がドッと入口に殺到した。まったく、きちんと並べばいいのに。


 




	
	この大聖堂は裁判所が隣にあって、同じ敷地内にあるので間違って観光客がそちらへ行こうとすると、眼光鋭い屈強な警官に睨
	まれる。いつもそうなのかは分からないが、防弾チョッキを着ていた。
	日本の警官は平和ボケして痴漢や万引きに余念が無いが、ヨーロッパでは常時臨戦態勢なのだという事がよくわかる。







	
	大聖堂の門を出て、裁判所のすぐ隣の建物が、マリーアントワネットが幽閉されていたと言うコンシェルジュリである。ルイ王朝
	に反対する政治犯2600人も収監されていた。中は広いが薄暗い。マリーアントワネットの部屋というのも見たが、中に彼女と侍女
	の蝋人形があってちょっと薄気味悪かった。
 
	
	ここからまた地下鉄に乗り、「ロダン博物館」と、ナポレオンの遺体が安置されている「軍事博物館」へ行く。私はナポレオ
	ンには格別の思い入れがあるので、ここを訪問できて幸せだった。「ロダン博物館」と「軍事博物館」は2,3分しか離れて
	いない。道路を挟んで向かいあわせである。

 
 
		
	感慨深いナポレオンの棺を後にして、その他の軍事に関する展示を見た後、Cedex にある国立古代博物館 −The Musee des 
	Antiquites Nationales− へ行く。
 

	今回の旅は博物館を結構見たが、これで打ち止めだ。最後にすごい博物館に来れて良かった。またPERに乗ってパリへ戻る。



	
	次はwifeの買い物に付き合う。例の如く、何件もショップをハシゴして、娘・息子や友人に土産を買う。GUCCHIやイブサンロ
	ーランなど超有名ブランド店が並んでいるが、勿論Wifeはそういう所へは入らない。金もないし、ブランド品には余り興味は
	ないようである。



	
	バスチーユ広場

	1789年7月14日、この地にあった監獄が市民の襲撃で陥落したとき、フランス大革命の幕が切って落とされた。悪名高
	きバスチーユ監獄はルイ13世時代に誕生し、「鉄仮面」、ウ"ォルテール、ミラボーらを収容していた。現在広場の中央には、
	7月革命で命を落としたパリ市民を祀る「7月の円柱」が立つ。その下には、7月革命と2月革命の犠牲者の遺体が埋葬され
	ている。なお、広場の一角には、大革命200周年を記念して、1989年にオペラ・バスチーユ(新オペラ座)が建てられ
	た。



	
	所在なげにレジの横に座ってWifeを待ったり、売り場の娘とたどたどしい英語のおしゃべりをしたりするが、英語を全く喋れ
	ないハウスマヌカンも多い。店の客を眺めていると、老いも若きも体がデカい。乳もホルスタインのようだ。チリチリパーマ
	頭に、どうしてあんなに細いのかというようなウエストをした娘が、アランドロンのようなイケメン男とカップルだ。どこが
	乳やら腹やらわからないような若い娘も、どうどうとシャンゼリゼを歩いているが、全く「歩く酒樽」である。
	みんながみんなパリ娘ではないのかもしれないし、もしかしたら観光客の方が多いのかもしれないが、巨大な図体の女性ばか
	りである。顔を見ればどうみてもヨーロッパ人に見えるし、太ったアメリカ人の観光客ではない。眺めていて、ノートに書き
	留めた落首、三首。

	・ペチャむくれ パリを歩けば パリジェンヌ
	・パリ娘 歩く姿は こって牛
	・フランスの カフェに座って眺むれば 牛、馬、豚に 猿、猿、猿



	
	待ちくたびれた頃、「さぁ、買い物終わり」とWifeが戻って来て、両脇に幾つもの紙袋を下げている。ホテルへ向かって歩い
	ているとイタリアンのレストランがあったので飛び込む。フランス最後の夜に、フランスでイタリアンとはこれ如何に。

	私の嗜好で言えば、ワインはフランスよりもイタリア物のほうがうまい。フランスはワインでは世界一を自負しているが、私
	はイタリア・ワインの方が好きである。イタリアで呑んだワインのほうが旨かった。フランス・ワインはロゼが旨い。イタリ
	アのトスカーナやキャンタは安物ワインと言われるが、どうしてどうして結構旨い。アメリカで買ってきた、ナッパバレーの
	高いワインなどに比べたら、とびきり旨い。







さぁ、明日は帰国だ。これでパリともお別れか。パリ最后の夜が迫ってくる。