Sound: a Taste of Honney

愛知県埋蔵文化財センター 2003.11.1 愛知県海部郡弥富町






	出張の帰り、愛知県埋蔵文化財センターに寄った。どでかい建物だ。昨今はどこの自治体も、大きくて立派な埋蔵文化財の
	処理センターを持つようになった。いいことだ。それだけ社会が豊かになった証拠でもある。みんなが食うことに必死にな
	っている社会では、こんな機関を持ちたくてもそれどころではない。遺跡や文化財などおかまいなしに、地面を掘り起こし
	ては学校を建てビルを建て、次から次に仕事を作っていかなければならない。そうしなければみんなが食えなかったのだか
	ら。しかしもう国民のエンゲル係数はそんなに高くない。過去の無軌道ぶりはそれなりに反省はするとして、今後は先人達
	の過去の遺産をしっかりと守って行きたいものだ。ここで遺物を見た後、ほんとは清洲の有名な「朝日遺跡」を見に行きた
	かったのだが時間が無く断念した。次回の楽しみに取っておく事にしよう。

 



 

ビルの軒下に、薬品処理中の出土物があった。シートに包まれた木製の出土品らしきものが幾つかプールにつかっている。

 

入り口を入ると出土物の詰まったトロ箱が積んである。事務室展示室は2階だ。トロ箱の脇に平安時代の木桶がある。

 

 

 





時代順に土器が並べてあったが、5,6点しかなさそうな縄文土器は全て貸し出し中だった。









八王子遺跡の銅鐸



 

 







朝日遺跡


	<朝日遺跡> 縄文末期から弥生時代中期に栄えた集落  名古屋市西区・春日町・清洲町・新川町にまたがる。

	縄文時代からの生活の痕跡も見られるが、この集落の最盛期は弥生時代である。遺跡南西隅の貝殻山貝塚周辺に、弥生時代
	前期の貝塚群や、集落を取り囲む環濠が見られる。朝日遺跡は弥生時代中期になると集落を拡大し、弥生都市的な性格を持
	つようになる。
	集落を環濠と逆木で取り囲み、「方形周溝墓」が集落の東西に多数作られる。東の墓地の中には一辺の長さが35mを超え
	る、全国でも最大級のものが存在する。韓国の「松菊里遺跡」に見られる形式の竪穴式住居も存在し、銅鐸、銅鏡といった
	青銅器の製造、勾玉の製造も確認されている。その後、古墳時代にはいると環濠は埋没し、弥生時代の巨大都市も終焉をむ
	かえる。

 

 





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	愛知県朝日遺跡の松菊里型住居(61H・SB45)愛知県教育委員会・(財)愛知県埋蔵文化財センター
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	弥生時代後期の、ベンガラを赤く塗った土器。クレタ島より出土する宮廷式(パレススタイル)土器と同じ名前で呼ばれている。
	壺・高杯(たかつき)・器台(きだい)・深皿などがある。北九州でも弥生初期から中期にかけて、丹塗装飾土器と呼ばれる赤い
	土器が作られるが、形状はずいぶん違っている。しかし土器を赤く塗って祭祀に用いるという発想そのものは、何か弥生人に
	共通しているような。



円窓付壺(まるまどつきつぼ)。朝日遺跡からは、壺の胴部に穴を開けた壺が多く出土している。祭祀用と思われる。



 


	朝日遺跡では、ツキノワグマの牙やイノシシの牙を用いた髪飾り・垂飾り、石製首飾り、ヒスイ製の勾玉とその未成品など、
	多くの装飾品が出土している。このことから、朝日遺跡の集落内に、勾玉の製造場があったと推測されている。





 


	銅鐸は、高さ46.5cm。文様は4区の袈裟襷文(けさだすきもん)と鋸歯文(きょしもん)・同心円文からなっている。身の所々で、
	湯廻りが悪いために紋様が不鮮明。弥生時代中期末から後期にかけての頃製作されたと考えられている。「鳴らす」銅鐸から
	「見る」銅鐸へ移行する中間に位置づけられる、(と説明にある)。

 

以下は今年8月京都の園部町へ、「2003 日本の発掘展」を見に行った時展示されていた朝日遺跡の出土品。

 










金萩遺跡





 





その他の愛知県の遺跡



 



 

 

 

 



 

 



 

 

 

 

 
 



 

















「発掘された文字世界」のコーナー





 

 













 

 



 



 





 



 

立派な扉の向うは収蔵庫だ。




愛知県埋蔵文化財センター
開館時間 平日午前9時30分〜午後4時30分
休館日 土・日・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料 無料
住所・TEL番号 〒498-0017 愛知県海部郡弥富町前ヶ須新田字野方802-24
TEL 0567-67-4163  FAX 0567-67-3054
アクセス方法 近鉄名古屋線『近鉄弥富』駅下車 徒歩15分
JR関西本線『弥富』駅下車 徒歩15分
東名阪自動車道『弥富IC』より国道155号線または1号線を経て約10分






弥富町歴史民俗資料館

 

文化財センターの裏手に弥富町の歴史民俗資料館があったが、大した考古資料はなく、どちらかと言えば民俗資料が中心だった。













My 古代史 Goods



 




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