このセンターは展示が充実している。部屋は1室でどちらかと言えば狭い方だが、案内はすこぶる 親切である。説明パネルがたくさんあって、ひととおりじっくり読めば、考古学と、発掘調査、そ れにこのセンターの役割が理解できるようになっている。 勿論東大阪の歴史も学べるし、何より嬉しいことに、出土物が整理されて引き出しに保管され、見 学者が触れるようになっている。土器の感触や、古代の瓦の出来具合を手で触って確かめられる。 展示に工夫を凝らした埋文センターはいくつかあるが、出土物に触れる所はそう多くない。 ボランティアのおじさん達も親切で、訪れた子供達も気楽に話しかけていた。どうして他の多くの 博物館がこう出来ないのだろう。博物館と埋文センターは違う、と言われるかもしれないが、私に 言わせれば、展示に限れば同じ事だ。勿論国宝や重文には触れないだろうが、博物館はここみたい にもっと親しみやすくなれないものか。いつまでも「写真撮影禁止」などを掲げて、重々しくお上 の展示館みたいな態度を取っていると、多くの地方公共団体が財政難にあえぐ昨今、その内市民は あんなとこいらんと言い出しかねない。