Sound: A Taste of Honey



東京国立博物館
1998.1.31


表慶館(考古館)探訪記
HYOKEIKAN GALLERY 1908 Founded














	東京上野の国立博物館には、東京勤務時代営業の帰りに時間があるとよく立ち寄った。その頃はまだ、今ほど本格的に古代史への
	興味が無かったので、フーンという感じで眺めて廻っていた。又、東京に居たので何時でも見に来れるという気もあったのだろう、
	何が陳列してあったのかもよく覚えていなかった。今回、ほぼ7,8年ぶりに訪れて、その内容のすごさに驚いた。
	さすがは東京の国立の博物館だわい、という感じだ。考古学上のありとあらゆる遺物の代表選手が並んでいる。石器、土器、鏃、
	埴輪、銅鐸、銅矛、銅剣、武具、馬具、なんと私の郷里で発掘された銅矛まであった。中央の力にまかせて掻き集めた遺物だらけ
	である。考古学ファンなら一日いても飽きないだろう。三角縁神獣鏡など思わず一枚持って帰りたくなった程だ。

	考古館は、正しくは表慶館と言うのだが、本館正面に向かって左側のドーム型屋根の建物である。見るからにすごい建物だ。行っ
	た日は、2週間ほど前に関東地方に降った大雪のなごりがまだ消えずに残っていた。
	土曜日の朝という事で、見学者は学生の一群と少ない考古学ファンのみだった。所在なげに座っている監視のオバちゃんに飴をあ
	げて、写真を撮って貰ったりしながらだべって来た。(ノンフラッシュでの撮影はOKである。)

以下の写真はクリックすると拡大できる。ほんとは1枚がもっと大きい
(ディスプレイ画面いっぱい位)のだが、受信時の負担を考慮して小さなサイズにした。


古代に我々が魅了されるそもそもの要因は一体何であろうか?

好奇心か、憧憬か、それとも血脈への探求心或いは望郷の念か?

元来人の遺伝子には、先祖への記憶をたどる回路がセットされているのかもしれない。




後10000年も経てば、我々の生きているこの平成もやがて古代となるのだ。なにが土偶や埴輪として残るのだろう。






	明治33年(1900)に皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して計画され、8年後に竣工、その翌年に開館した日本で初めての
	本格的な美術館である。設計は東宮御所(現在の迎賓館)や数々の宮家邸宅を手がけた宮廷建築家の片山東熊(とうくま)。
	建物全景は中央に大きなドーム屋根をいただき、左右にゆったりと翼を広げたその先にもドーム屋根が控える、左右対称の美しい
	形をしている。

	「平成館」が出来てからは考古資料はそちらへ移動し、表慶館は現在「アジアギャラリー」として東洋美術品の展示を行っている。



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