この博物館はいわゆる博物館ではない。研究機関である。大阪吹田の国立民族博物館(みんぱく) と同じように、身分的には「大学院大学」に位置している。従って博物館的な部分は付随物であって、 研究施設としての目的の方が大きいのである。 又新しく建てられた為(昭和58年)、博物館独自に保有している遺物は極めて少なく、各地からの 出土品は殆どがレプリカである。博物館発行の「展示案内」によれば、「研究の成果を展示に生かす。」 とあるが、どんな展示を企画しているのだろうか。 非常に難しい試みのように思える。少なくとも現段階では、遺物を実見したい歴史ファンが訪れるには 多少ものたりないかもしれない。
それにしてもなぜ「佐倉」なのだろうか?別に佐倉をけなしている訳ではないが、東京駅から乗り換えて、 急行で1時間以上掛かりしかも駅からも非常に遠い。 地元の小学生ならまだしも、大阪からわざわざ見に来たりする歴史ファンの鑑賞に堪えうるような遺物も 少ない。こういう施設を「博物館」と呼ぶには少しおかしいような気がする。 素直に「歴史民俗研究所」とか「歴史民俗大学院大学」とかにして、研究に専念したほうがマシだと思う。 誰かここに税金でデカい建物を建てたがった人達が居るような気がしてしようがない。