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ウサクマイ遺跡群 北海道千歳市 2001.6.29 縄文時代

	国指定史跡 ウサクマイ遺跡群 (昭和54年5月23日指定)
	所在地  〒066-0068 千歳市蘭越 
	問合先・電話番号   埋蔵文化財センター案内 TEL/FAX:0123-24-4210

 


	札幌方面から36号線を南下して千歳市に入ったあたりで(錦町3交差点)右へ折れて、支笏湖方面への道(道道支笏湖公
	園線)へ入る。この道は千歳川に沿って支笏湖まで続いており、私は10数年前札幌へ出張した折、この道をバスで往復した
	覚えがある。
	その時は勿論まだ歴史にのめり込んでおらず、この川沿いの遺跡のことなど知りもしなかったのだが、千歳川の流れのきれ
	いさに車中から感嘆の声を挙げた覚えがある。今回訪れてもその川の流れの美しさは全く変わっていなかった。

 

 




	ウサクマイ遺跡群は、ナイベツ川(全国の「名水百選」に選ばれた。)流域に残る24ヵ所の遺跡と千歳川右岸(北側)のウ
	サクマイC遺跡を中心に、縄文時代早期(約7000年前)から、続縄文、擦文、アイヌ文化、近代にいたるまでの多くの
	遺跡が残されていて、146ヘクタールにも及ぶ広大な地域が史跡として保護されている。バスを利用する場合は、札幌か
	ら北海道中央バス「支笏湖行」に乗り、「サケ・マスふ化場前」で下車すると、徒歩10分ほどで「ウサクマイC遺跡」の説明
	板のあたりへ来る。札幌から「サケ・マスふ化場前」まで1時間15分。

 



ウサクマイC遺跡見学コース入口


	現在の遺跡は、もうヤブに覆われて住居跡や生活の跡は全く窺い知る事が出来ない。しかし当時これらの森は少なく、なだ
	らかな草原が広がっていて、ナイベツ川、千歳川が今と同じように流れていたとすれば、豊富なサケ・マス類や木々の恵み
	に支えられて、豊かな生活をおくっていただろう事は想像できる。

 



1100〜1300年前(擦文時代)のようす(想像図)


	又、この遺跡からは、縄文時代晩期終末期(約2000年前)の赤い塗料を塗った男性土偶が出土しており、珍しい土偶として
	注目を浴びた。(高橋理「ウサクマイA遺跡採集の男性土偶」(千歳市文化財調査報告書20)1995)

 





ウサクマイC遺跡、竪穴住居跡のくぼみ



 



 


	遺跡の先には、サケ・マスふ化実験場があり、資料館もあってサケ・マスの一生や生態などをわかりやすく解説している。
	古代からこの川は豊富なサケ・マスの遡上を見ていたのである。ここへ来る途中、川沿いに警官が座って何かを監視してい
	たが、サケ・マスの不法漁獲を監視していたのだ。





ウサクマイ遺跡群を流れる内別川

 


	ふ化実験場の駐車場に車を止めて千歳川を振り返ったら、ヤマセミが川面を滑空していくのを見た。はじめて実物でヤマセ
	ミを見て感激だった。見逃した嫁半は、地団駄踏んで悔しがっていた。

 


	北海道森林管理局では、此の辺りの森林保護と遺跡の保護を啓蒙するため、会員を募って不定期に「遺跡・森林探検ツアー」
	を開催している。問い合わせは、北海道森林管理局指導普及課(TEL 011-622-5245)まで。






史跡周辺の空中写真 (左が千歳川,右が内別川)



ウサクマイ遺跡群の遺跡分布図と史跡範囲




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